ベイトリールの宿命のトラブル、それは『バックラッシュ』『バックラッシュ』『バックラッシュ』・・・(エコー風)!!!
気を抜くとキャストするたびに現れ、一度起こると復帰に時間を取ら、ひどいと高切れ、釣り続行不能、釣り人の心を折る・・・不幸しかありません。それが原因で心配でベイトリールを敬遠する人は多いかもしれません。
その為、ベイトリールを使う上では、バックラッシュ対策が重要です。
バックラッシュの対策を知り、上手に付き合えば、もう怖くない!ベイトリールの能力を活かし、釣りを楽しみ、釣果を上げること間違いなし!!!(たぶん)
さぁ、一緒にバックラッシュ対策を学んで、実践して、いかなる条件でもバックラッシュを抑え、無意識にバックラッシュが出ないようなコントロールができる達人を目指しましょ~!!
BAKLASH is the fateful trouble with baitcasting reels. Once you lose your concentration while you are casting, you may easily get it. And if it’s severe condition, you may be done your fishing on the day, or line snapping unfortunately. So, you should keep preventing backlash.
How to do that? Let’s learn about its theory through this article, and so that you can handle it, and you fully enjoy fishing with your baitcasting tackle!!!
(See this article, if you would like to learn “mechanism of backlash” >>> The Science of Backlash)
<おさらい>バックラッシュとその原因 <Review> The BACKLASH and Its Cause.
バックラッシュとは、スプールのラインが浮き上がり、上下層入り乱れてグチャグチャに絡み合った状態を言います。


そして、バックラッシュの原因は、ルアーに引っ張られラインが放出する速度より、スプール回転数が上がりすぎてスプール部のラインの放出速度が速くなることで発生します。

詳しくは、バックラッシュについての説明したこちらの記事を見てください!
>>>バックラッシュを科学する。 The Science of Backlash
バックラッシュの対策をする上でも、バックラッシュについて詳しく知ることで、状況に応じた的確な対策を選定することができるようになります。
バックラッシュ対策理論と体系 Countermeasure Theory & Structure
では、バックラッシュをどのように対策すれば良いのでしょうか?
それは、先ほどおさらいしたバックラッシュの原因である「ルアー/ラインの放出速度スプールと、スプールのライン放出速度の差」ができないようしてあげることです。すなわち
「ルアー/ラインの放出速度 ≒ スプールのライン放出速度」状態の維持
それをどうやってやるか、ですが2つの放出速度ごとに対応することになります。
- ルアー/ラインの放出速度低下を抑える対策
- スプールのライン放出速度上昇を抑える対策
この2つの要素と対策のし易さの二つの側面で、対策内容をまとめました。それが以下の対策の体系になります。
※バックラッシュを起こす要素には、「早く釣りたい」とか「遠くに飛ばしたい」と言う精神面も含まれますが、その点は省略しております。

じゃぁ、対策の体系にてついて説明するよ!
- オレンジと青色の色分けで、一つ一つの作業がどちらの放出速度対策に関わるのかがわかるよ。
- その対策の上から下へ、釣りの事前準備から~キャスティング完了までの流れに沿った順に並べてるよ。
- 縦の列は、対策のし易さで分けているよ。所有している道具が少ない、道具の交換し辛い、自分の技術レベルが低いなどの場合、対策効果の調整幅が狭くなるので”難しい“側。簡単にできる対策ほど利用割合が高い=重要と言えます。
この対策の体系を頭にインプットしてもらい、次に一つ一つの対策作業についてご説明します!

対策(難しい) Details of Difficult Countermeasures
全容がわかったところで一つ一つの対策方法について説明します。
先ほどの対策の体系図の中、まず対策が難しい側からです。
ライン選択 Line Selection
代表的なラインの種類をナイロン、フロロカーボン(以下フロロ)、PEに絞り説明します。その中で最もバックラッシュの対策として適したラインは、一般的にナイロンになります。ただ、それは一般的にです。
ラインは、「バックラッシュしやすさ」と「バックラッシュ後の解決しやすさ」の観点で選択します。それは一般的にはラインの種類で傾向性はありますが、種類だけでなくラインの太さも関わってきます。細かいことを言うと劣化状態、ブランドやグレードなどの要素も加わってくるので非常に複雑。正直、一般的な情報だけで最適なラインにはたどりつくのは困難です。
じゃあ、どうすればよい?「いろいろなラインを使って自分にあったものみつける」、または「上級者に教えてもらう」ことが最も最適な回答に近づけるということになります。ここでは、その為の予備知識となるラインの種類ごと特徴をご紹介します。
中々答えにたどり着くことが難しいライン選び。更に、持てるラインは所有するリールや交換用スプールの数にもよるので絞られます。その為、対策の幅も狭くなりがちです。とほほ。ですが、だからこそ自分が意図して最適なラインを選択できるようになることは、釣り師とレベルもかなりのもの、と言えるのです!さぁ、頑張ってラインを極めましょう!
ナイロン
素材表面がなめらかなのでライン同士での引っ掛かり辛く、ガイド抜けが良く、巻き癖がつき辛いので(ルアー・ラインの放出速度が落ちづらいのでバックラッシュが起きづらい。
ある程度張り(コシともいうようです)があるのでバックラッシュもほどき易くなります。更に衝撃にも強いので高切れし辛いのもおススメポイント。その為初心者には扱いやすいとなります。
ただし、他のラインより同じラインの強度では太くなります。その分風の影響を受けバックラッシュには不利となります。糸巻量にも響いてきます。
フロロ
ナイロンに近いので素材表面がなめらかなのと、比重が重いのスプール回転がゆっくり上昇する点はバックラッシュし辛くさせますが、張りがあって巻き癖がつき易いのでバックラッシュし易さが上がります。
張りがあるのでバックラッシュもほどき易いのですが、折り曲げに弱いので無理にほどき折れたりするとライン切れにつながります。衝撃への強さと、ナイロンほど太くならないのはプラス要素です。
PE
PEはキャストメインのベイトリールに不向きと言われます。一般的にはです・・・。個人的には悪くないと思います。
比重が軽くスプール回転が上がりやすい反面、ガイド抜けが悪かったり風の影響を受け易かったり、その為バックラッシュし易くなります。更に張りがなく細いので、バックラッシュした時のほどきにくさは天下一品・・・。これも一般的に。
実際は使ってみると張りがない分バックラッシュ量があまり多くない(ように感じる)ので、下手なサミングでも対処可能になります。また、バックラッシュしても意外とほどけます。今のところ再起不能までなることはありません。
ただし、バックラッシュし易さ/ラインの引っ掛かりやすさ+衝撃耐性が低いことので高切れのリスクは高くなります。これが目下、一番ツライ部分です・・・。
ルアー選択 Lure Selection
ルアーは、重さが重く、風を受けにくい空気抵抗の小さい形状のものを使用することが、バックラッシュ対策になります。ただ、ターゲットの魚を見据えつつ、風の様子を見ながら使うルアーを選択する必要があるので、それほど単純ではありません。
では、簡単にルアーごとの特徴です。ただし、これも一般的な話です。ルアーメーカーの開発努力によって、風に強いプラグもあるのでそういうものを選択すれば対応可能になります。
メタル系
メタル系は重いのでバックラッシュ対策に適しています。メタルジグは細長い形状が風の抵抗も小さくでき効果アップ。タングステンを選べば重さが同じで形状が小さくなるので更に効果を上げられます。
ワーム
ジグヘッド、シンカーは重いものの、ワームは風の抵抗を受けやすく大きくなりがちになります。ワームのサイズ・形状を変えることで影響を低下させることができます。
プラグ
一般的にサイズに対して軽量なので、バックラッシュし易くなります。プラグにも重さがあるので重めで細身のものを選ぶと良い思います。また、内部に移動式のオモリがあるものがあります。お値段高くなりますが、持っておけば対応の幅が広げられます!
キャスティング Casting Technic
スプールの回転速度を上げ過ぎないよう、ルアー・ラインの放出速度上昇が先行するようにキャストします。
具体的には、最初に力任せにキャストしようとするとスプール回転数が一気に上昇するのに対し、それほどルアー・ラインの放出速度は上がりません。と言うことでバックラッシュになります。
その為、キャスト開始、バックスイング、切り返し、キャストの一連の動作中、ルアーの重さを感じ続けるようにする。スイングの速度も徐々に上げていくようなイメージで行うと良いと思います。
実行するのが難しい場合、バックスイングせずに切り返しのポジションからキャストすると良いかもしれません。
同様のキャスト方法は、PEラインを巻いている場合にも有効です。PEは軽いため、スプール回転が上昇しやすいためなので、より一層丁寧にキャストする心掛けが必要です。
キャストコントロールの技術も大事ですが、飛ばしたい、時合を逃したくない、と言う心の焦りによりキャストが速くなり過ぎたり、リズムが崩れたり、バックラッシュを引き起こしやすくします。飛距離にこだわらない、気持ちを整えるのも大事な対策ですね!
サミング Thumbing
対策の順序から言うと「最後の砦」、それがサミングです。これまで説明した対策、この後のブレーキ類の調整、それらを駆使してもなお発生するバックラッシュを食い止めるのがサミング。
親指の腹で、スプールに巻かれたラインに触れスプールの回転にブレーキをかけます。物理的にスプール回転速度を抑えることでラインの放出速度を追い越さないように調整します。英語で親指をサム(Thumb)からサミングです。・・・もちろん、サム(Sam)ではありません・・・くーーーーっ!
ではやり方ですが、まずはサミングする強さは、触れるかどうかと言う程度からスプール回転を完全に止めるまで、バックラッシュの起こり具合に応じて調整します。
キャスト後から親指をスプールの上に配置しいつでもサミングできるようにします。スプールは高い回転数を維持しながらもルアー・ラインの放出速度が失速し始めると、ラインが浮き始めることがあります。それを親指に当たるラインの感覚で察知します。浮き上がったら、かすかに触れるかこする程度に当て回転を抑えます。ルアーの着水時は最も大きくバックラッシュする可能性があるので、しっかり当ててピタッと止めます。


着水時は別として、ラインの浮きはじめを感じながら当て方の調整はかなりの上級テクです。それまでバックラッシュを起こしやすいと感じていたら、ライン浮きに関わらず、あらかじめ軽く当てて回転を抑えるのです。これなら腕関係なく対応可能です!それでも浮き上がるかバックラッシュするな更にサミングを強くします。
浮き上がりは、指で感じず、目視でも可能です。
浮き上がりも、ルアー自体も目視ができない夜間は、難易度が跳ね上がります。こういう時は常に軽くサミングし続けます。何度かキャストして着水タイミングをつかめれば感覚で対処できるようにもなります。
このようにサミングも技術次第です。技術が上がればブレーキ調整やサミングを最小限となります。そうなるとリール性能を最大限に引き出し、飛距離を最大限化できます。
対策(調整易) Details of Countermeasures
ここではリールのブレーキ調整による対策について説明します。
ブレーキ設定次第で、釣り人の操作や風の変化にかかわらず、勝手にスプール回転が上がりすぎないようしてくれます。そして、比較的簡単に調整ができるため、バックラッシュの兆候や発生具合に応じて、キャストの度、調整することが可能です。このような点からブレーキはバックラッシュ対策のカナメなんです!
しっかり理解し、使いこなせるようになれば、バックラッシュすら恐るるに足りません!
基本的な働き
ブレーキは利きを強めればバックラッシュが起こりにくくなり、弱めれば起こりやすくなります。
ブレーキは物理的にスプールの回転速度を抑えるものなので、利きの強さは直接飛距離に影響します。
その為、ブレーキ調整のバランスが大事になります。
基本的な、ブレーキ調整の考え方とやり方
これ以前に色々な対策について説明しました。しかし、それらは風や気持ちなど状況によって対策効果が上下します。この為、対策効果は低く見積もって、不足分の対策効果をブレーキで補うように設定しましょう。
まずはブレーキを強めに設定したうえで、キャストします。キャストも徐々に強めていきましょう。
そしてバックラッシュの兆候や発生具合を見ながら、徐々にブレーキを弱めていきます。
兆候はラインの浮き具合になりますが、少々難易度高めなのでわかれば程度でOKです。
あとは、ルアーが飛んでいく最中にバックラッシュが起こるかどうかを見て、起こってもすぐに解消できる程度までで抑えられるように調整をします。
特に「飛ばしたい」と言う欲を抑えて、「トラブルを避けたい」を優先することも重要です!
メカニカルブレーキ設定 Mechanical Break Setting


メカニカルブレーキは、ブレーキノブ内面がスプールに干渉(ノブがスプールに接触)することでブレーキを掛けます。そして設定したブレーキ状態(ブレーキ量)を維持し続け、ブレーキが利い続ける状態となります。
この為、スプールが回転している全域で(回転している間中ずっと)、回転数上昇を抑えバックラッシュのリスクを低減させます。バックラッシュ対策力としては強くなります、その分、全域で飛距離もロスすることなります。
詳しくは >>> シン・ベイトリールを参照ください。
では、基本的なメカニカルブレーキの調整の仕方をご説明します。
タックルにルアーをセットし釣行開始できる状態にします。
ロッドを持ち上げルアーが先端でぶら下がった状態でクラッチを切ります。
ルアーを自然に落下させ時の、落下速度でブレーキ量を調整します。まずはルアーが落下しないところまでブレーキを利かせます。少しずつブレーキを弱めて、ルアーがゆっくり落下し始めるようにします。
ルアーが落ち始めると、わずかなブレーキノブの調整で、ブレーキ量は大きく変化するので、ジワジワ、緩めたり、強めたりしましょう。
ちなみに、落下速度の「ゆっくり」の目安は、「ジワーっ」って感じです。って言っても分からないですよね。あえて言うなら、ルアーの落下速度がブレーキ無し状態(最速)を1とすると、2~3分の1程度の速度にします。秒数ならブレーキ無しで地面まで1.5秒程度で落下する場合、ブレーキを3~4.5秒くらいに調整します。
この状態になったら、キャストします。
まずは弱めにキャスト。バックラッシュしなければフルキャストまで徐々に強めていきます。
フルキャストでもバックラッシュが起きないなら、今度は少しブレーキを弱めます。そして同じようにキャストを強めながらチェック。これを繰り返して、バックラッシュが起きずブレーキ量が最も小さくなったところが、そのルアー、あなたに合った調整になります。
重さ・形状が異なるルアーに交換した場合、同じようにブレーキ量を調整しましょう。
ブレーキシステム Brake System

ブレーキシステムには、マグネットブレーキや遠心ブレーキなどあります。キャスティングにおけるバックラッシュを防止するための機能です。スプールの高回転域のみ回転数を抑えるようにブレーキが働くもの、電子的に、回転数をモニターしながら回転数を調整するようなものもあります。いかにバックラッシュを防止しつつ、飛距離を損なわないようにするかを命題に、各メーカーがしのぎを削り技術を投入しています。当然、高額なリールほどより高度なブレーキシステムが搭載されています。
事例として「シマノのSVS∞(インフィニティ一)」を紹介します(私が使用しているので・・・)。これは遠心力ブレーキシステムの一つです。
下の写真、赤〇で囲んだパーツをブレーキカラーと呼びます(この呼び名はメーカやモデルなどによりブレーキブロック、ブレーキシューなどあります)。このパーツをONかOFFポジションに設定し、ONにするとスプールが高回転でブレーキがかかります。高回転になるとブレーキカラーが遠心力で外側に飛び出し、外カバーのレール側面(写真赤矢印部分)にこすれてブレーキをかける仕組みです。このリールはブレーキカラーが8個ついていますが、モデルによって4個や6個など異なります。
このようにスプール高回転の時だけブレーキをかけ、ブレーキカラーをONにした数に応じてブレーキ量を調整できます。回転の上昇し始めや下降時は遠心力が低下するのでブレーキはかからない仕組みです。ある程度最適なブレーキ調整を自動的にやってくれ、飛距離のロスを最低限にしてくれます。


*写真は21スコーピオンMD300XGLH。最新モデルは24スコーピオンMDになります。
まとめ
ベイトリールでキャスティングするうえで、バックラッシュは避けては通れないものです。
そして、それを十分手なずけるには、相当の知識・修練が必要です。でも、それは高次元での話。普通に釣りを楽しみ、ベイトリールの良さを味わうにはちょっとした知識とテクニックでも十分です。神経質になる必要はありません!
過去バックラッシュに痛い思いをしてベイトリールを遠ざけていたり、食べず嫌いになっていたりしたら大変もったいない!それくらいにベイトリールは魅力満載のリールです。もちろん気持ちよく釣りしようとするとバックラッシュで嫌になることもあります。でも簡単ではないからこそ、使いこなす、極める楽しさや喜びも一層増すというものです!是非、ベイトリールを手に取ってみてください。その時は肩の力を抜いて気楽に使ってみましょう。
そして、これからベイトリールを使用する方、既に使っていて困っている方、そのような方々に少しでもこの記事がお役に立てればと思います。
・・・と、偉そうにこの記事を書いている私も、まだまだベイトリール初心者の域と思います。思うように飛距離がだせなかったり、高切れしたり嫌になることもちょくちょく。その為、ベイトリールの使い方で困っている人の気持ちはよくわかると思うので、この記事もなるべくわかりやすいよう、お役に立てるよう磨いていきたいと思います。
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